高配当の株は安全なのか
- by ven
株の売買をする際に高配当の株を選ぶ人は少なくありません。
なぜなら株価が下がったとしても、高い配当を受け取れるため、一つの「保険」として考えられるからです。
株を保有するのは、株価の下落リスクがあるため、配当が高い株を狙うことは理にかなっているように見えます。
では、本当にそうであるのか。
この記事では「高配当株は安全なのか」をテーマに書いていきます。
高配当株と言えばJT(2914)
高配当株といえばJT(2914)を思い浮かべる人は多いと思います。
現在において、配当利回りランキングでも、2位その利回りは7%を超えています。
通常、100株単位で株は保有します。
JTを100株保有していれば、年間約15,400円の配当を受け取れるのです。
現在の株価は1,963円なので、およそ200,000円の投資で15,400円が受け取れる。
定期預金が馬鹿らしくなる、とても魅力的な内容です。
JT(2914)の株価の推移は?
ではJTの株価の推移を見て行きましょう。
配当は1年間の保有で受け取れるので年単位で見て行きたいと思います。
西暦 | 年の終値 |
2015年 | 4,471円 |
2016年 | 3,844円 |
2017年 | 3,631円 |
2018年 | 2,616円 |
2019年 | 2,432円 |
2020年 | 1,963円 |
ご覧いただいたように、見事に毎年、下がっています。
このデータが表しているのは、「もらえる配当以上に株の価値が下がっている」ということを意味しています。
2015年から15,000円ずつの配当を受け取ったとして、約「75,000円」の配当を受け取ることができます。
しかし、株の価値は4471円から1,963円に下がっているため、約「240,000円」もの含み損を抱えることになります。(100株保有の場合)
年単位でしっかり下がっている銘柄は、今後も下がる可能性が高いことは明白です。
高配当=成長が期待できない?
高配当の株はなぜ高配当なのか。
その理由の1つに、「投資先としての魅力に欠けている」のではないか、と考えられます。
なぜなら、高配当でない、いや配当すらない銘柄でも驚くほど株価が上昇している銘柄もあるのです。
やはりその企業が持っているビジョンや経営の手腕などに魅力を感じて投資する人が多いからなのではないでしょうか。
インカムゲインを狙う人は高配当銘柄を買う
大事なのは株を保有する人の目的にもあります。
「わたしは株を保有して、その配当金で資産を増やしたい」という人はインカムゲイン。
「わたしは株を保有して、株価が上昇したら売って儲けたい」という人はキャピタルゲイン。
JT(2914)の株価が今後、どういった方向に向かっていくのかはわかりません。
ただ配当を目的とする人でも、株価が下落することが嬉しい人はいないでしょう。
株は上がり続ける銘柄もあれば、下がり続ける銘柄もあります。
「いつか上昇するだろう」という安易に考えることはやめたほうがよいかもしれません。
まとめ
JT(2914)を中心に高配当銘柄について解説させていただきました。
「高配当」は株を保有する際に大きな魅力になることは確かです。
ただし、株の売買で「キャピタルゲイン」を目的として「インカムゲイン」を保険とする考えは、矛盾している場合もあるのかもしれません。
自身の投資の目的を明確にし、しっかりと銘柄を選ぶことが大事なのかもしれません。
株の売買をする際に高配当の株を選ぶ人は少なくありません。 なぜなら株価が下がったとしても、高い配当を受け取れる…